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ハーレム・ドラッグ―5
 カーテンの隙間から差し込む朝日が顔を照らし、その眩しさに俺は目を覚ました。
 窓を開けて新鮮な空気を目いっぱい吸い込み、ゆっくりと吐き出した。

 フッ・・・世界が俺を祝福してるぜ。

 とりあえず朝飯は生卵ぶっかけご飯(丼でな)でかっ食らい、少し早めに家を出る事にした。
 道すがら缶コーヒーを買い、飲みながらのんびり登校する。
 当然頭の中は、次のターゲットの選定にかかっている。

「ありゃ? 孝一兄ちゃんだ!」
「あ、孝一お兄ちゃん・・・」

 思考を邪魔した二つの黄色い声は、正面から飛んできた。
「よう、風那に空那。早いな」

 加納風那(かのう ふうな)と空那(くうな)。
 俺の住んでるアパートの大家さんの孫娘で、双子の姉妹だ。
 中学生で、近所に住んでいる。
 引っ越してすぐに大家さんの頼みで勉強を見てやったことがあり、それから名前で呼び合うくらいに親しくなった。

「孝一兄ちゃんこそ早いじゃん、部活やってないくせに」
「たまたまさ」



 妹の空那は男の子のように短くカットした髪がお似合いの、いつでも元気なパワフル娘だ。
 運動系の部活をいくつも掛け持ちし、その全てでトップクラスの成績を残している。
 ・・・そのぶん、勉強の方はからっきしだけどな。

「おはよう、孝一お兄ちゃん」
「ああ、おはようさん」



 セミロングの髪をなびかせ、涼やかな声で挨拶したのは姉の風那。
 空那とは正反対の性格で非常に大人しい女の子だ。
 運動能力の大半を空那に取られたと思えてしまうくらい、運動は大の苦手。
 その反面、勉強の方は県下でも常に上位に食い込むという才女だ。

 勉強を見たのは主に空那の方で、風那には俺が教えられることは何もなかった。
 と言うか、逆に俺の間違いを指摘されたくらいだ。
 風那が教えればいいのに、と言ってみたところ空那曰く。

『私とお姉ちゃんじゃレベルが違いすぎて、かえって勉強にならないんだよ』

 と返された。
 まぁ、言いたいことは何となく分かるが。
 それじゃ何か、俺はお前と同レベルなのか空那よ。
 ・・・否定はしないけどよ。

「しかし空那が早いのは分かるが、なんで部活をやってない風那まで早いんだ?」

 ふとした疑問を聞いてみた。
 風那は俺と同じで帰宅部のはずだ。

「私、今日は日直なの。早めに行って、教室のお花の水を変えてあげようと思って」
「ふーん。でも、それ位なら普通に行っても十分できるだろ?」
「だって、皆に見られたら恥ずかしいもん・・・」

 そうだった、風那は恥ずかしがり屋さんだった。
 二人とも美少女と呼ぶに相応しい可愛い娘だ。
 例えるなら、空那を真夏のヒマワリとするなら、風那はしっとりとしたアジサイってところか。
 惜しむらくは、ボディの方が発展途上ということだな。
 制服の上から見ても、膨らみのボリュームはまだ・・・。

 ・・・あれ?

 なんだか、ボリューム増えてないか?

「あ~。孝一兄ちゃん、私達の胸見てる~」
「え!? お、お兄ちゃん!?」

 ぬぅ、空那に悟られたか。鋭い奴め。
 空那はニヤニヤ笑ってるし、風那は胸を隠すように腕を抱いて、耳まで真っ赤になっている。
 うーん、ここで慌てたらかえって突っ込まれるな。よし。

「いやぁ。二人ともちょっとスタイル良くなったように思ってさ、思わず見とれちまったい」
「・・・」「・・・」

 ・・・なんですか、この沈黙は!?
 風那はともかく、空那まで赤面してうつむいてる・・・くっ、対応ミスったか!?

「・・・本当に・・・そう思う・・・?」
「ん? お、おう。嘘は言ってねーぞ。ちょっと色気が増したというか、綺麗になったというか・・・」

 空那が上目遣いにチラチラと俺の顔を見ながら聞き、俺も素直な感想を答えた。

「・・・お姉ちゃん、ちょっとちょっと」
「きゃうっ?」

 あ、空那が風那を引っ張っていった。
 少し離れた場所で、二人でなにやらヒソヒソと話している。
 あの、こっちをチラチラ見るのは何でですか?
 悪戯っぽく笑うのはなにゆえに?

「孝一兄ちゃん、私たち先行くね!」
「え?」
「お兄ちゃーん、あ、後でメールするからあぁぁ~~~・・・」

 空那が風那の手を掴んだまま、全速力でダッシュしていった。
 風那の両脚が地面から離れてたぞ・・・。
 一人取り残された俺はしばし立ちすくむ。
 う~む、ちょっとオヤジ臭かったかな?

 しかし、空那が赤面するとはな~。
 普段は俺をからかうようにワザとパンチラしたりする娘だから、意表を突かれたぜ。

 うーん、あの二人をターゲットに・・・。
 とりあえず保留しとこう。妹みたいなもんで、今までそんな目で見てなかったしな。

テーマ:創作官能小説連載
ジャンル:アダルト
コメント
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2007/12/29(Sat) 23:07 |  |  | 【編集
コメントありがとうございます
応援、ありがとうございます~。
『ご都合』の方がちょっとごちゃついてきたので、分かりやすくする為にサイトを分けました。
いずれ全部の作品をまとめたサイトを作ろうと思ってますが、さていつになる事やらw
2007/12/30(Sun) 15:56 | URL | HEKS | 【編集
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