2009年04月24日 (金)
「あなた、夕食の用意ができましたよ」
「おお、もうそんな時間か」
いつ終わるとも知れない説教が(誠三と永倉新八が互角の戦いをした、とかいう話が果たして説教なのかは疑問だが)続く中、道場に入ってきたのはさつきの母、弥生(やよい)であった。
藤の花をあしらった着物を着た落ち着いた雰囲気の、優しい目をした女性だ。
しかし、剣道だけではなく柔術や空手にも通じ、素手においては巌ですら歯が立たないという、決して怒らせてはいけない類の人間である。
「おお、もうそんな時間か」
いつ終わるとも知れない説教が(誠三と永倉新八が互角の戦いをした、とかいう話が果たして説教なのかは疑問だが)続く中、道場に入ってきたのはさつきの母、弥生(やよい)であった。
藤の花をあしらった着物を着た落ち着いた雰囲気の、優しい目をした女性だ。
しかし、剣道だけではなく柔術や空手にも通じ、素手においては巌ですら歯が立たないという、決して怒らせてはいけない類の人間である。
2009年04月18日 (土)
薄暗がりの道場の中で、二人の少女が互いの武器を打ち合わせた。
金属と金属が小擦れ合い、火花を散らす。
この桐山道場の一人娘、桐山さつきが裂帛の気合いと共に手にした日本刀を上段から振り下ろす。
落雷の如き刃が、対峙する少女、麻生夕紀の頬を薄く切った。
赤い雫が一筋、頬を流れる。
紙一重で交わした夕紀は、人間とは思えぬ速さでさつきの脇を走り抜ける。
再び金属音が響く。
さつきは返す刀で脇腹を防御したがわずかに切られ、二筋の赤い染みが道着に広がっていく。
振り返ったさつきは刀を正眼に構えた。
夕紀も両手の小刀を体の前に構え、ゆっくりと間合いを測る。
金属と金属が小擦れ合い、火花を散らす。
この桐山道場の一人娘、桐山さつきが裂帛の気合いと共に手にした日本刀を上段から振り下ろす。
落雷の如き刃が、対峙する少女、麻生夕紀の頬を薄く切った。
赤い雫が一筋、頬を流れる。
紙一重で交わした夕紀は、人間とは思えぬ速さでさつきの脇を走り抜ける。
再び金属音が響く。
さつきは返す刀で脇腹を防御したがわずかに切られ、二筋の赤い染みが道着に広がっていく。
振り返ったさつきは刀を正眼に構えた。
夕紀も両手の小刀を体の前に構え、ゆっくりと間合いを測る。
2009年04月13日 (月)
「や・・・やった?」
「みたい、だね・・・」
空那と風那が息を吐いて力を抜く。
スカーレット・イーターは完全に滅びた。赤茶けた土塊のようになって路上に散乱している。
何とか勝ったか・・・。
ここで、ようやく救急車のサイレンの音が近づいてくるのが分かった。
おせーっつーの!!
・・・いや、ここは戦闘に巻き込まなくて良かったと考えるべきか。
「結界が壊れたようですね。私たちも退散しましょう」
「みたい、だね・・・」
空那と風那が息を吐いて力を抜く。
スカーレット・イーターは完全に滅びた。赤茶けた土塊のようになって路上に散乱している。
何とか勝ったか・・・。
ここで、ようやく救急車のサイレンの音が近づいてくるのが分かった。
おせーっつーの!!
・・・いや、ここは戦闘に巻き込まなくて良かったと考えるべきか。
「結界が壊れたようですね。私たちも退散しましょう」
2009年04月07日 (火)
氷室を締め上げる蛇の力によって、再び世界が遮断される。
この閉ざされた別世界の住人は、俺とスカーレット。
そして、玲子先生と百合香だけだ。
「後藤君・・・!」
「先生、これから俺の体、色々とぶっ壊れるから。片っ端から治し続けてくれ」
「・・・分かったわ。恵美を・・・助けてあげて・・・!」
俺は頷くと、スカーレットを睨みつつ百合香に声をかけた。
「百合香、今は大人しくしててくれ。事情、は・・・?」
妙に静かな百合香の顔を見る。
・・・目を回して気絶してた。
まぁ、俺の腕から得体の知れない物が飛び出したんだから無理もねぇか。むしろこの方がありがたい。
この閉ざされた別世界の住人は、俺とスカーレット。
そして、玲子先生と百合香だけだ。
「後藤君・・・!」
「先生、これから俺の体、色々とぶっ壊れるから。片っ端から治し続けてくれ」
「・・・分かったわ。恵美を・・・助けてあげて・・・!」
俺は頷くと、スカーレットを睨みつつ百合香に声をかけた。
「百合香、今は大人しくしててくれ。事情、は・・・?」
妙に静かな百合香の顔を見る。
・・・目を回して気絶してた。
まぁ、俺の腕から得体の知れない物が飛び出したんだから無理もねぇか。むしろこの方がありがたい。
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