2008年02月03日 (日)
白銀の髪と瞳を持つ少女は、自分とさほど変わらぬ年齢に見えた。
だが、その表情からはおよそ感情らしきものを読み取る事ができないほどに無表情であった。
「・・・誰かは知らないけど、ここで調べる事はすべて終わったわ。大人しく帰るから、見逃してくれないかしら?」
金髪の少女は白銀の瞳を睨みながら、ゆっくりと懐に手を伸ばす。屋敷にいた人間を眠らせた砂を、入っている小箱から一掴みして握った。
「主となる方に危害を加えるかも知れない者を、野放しにする訳にはいきません。ここで死んでもらいましょう」
淡々とした、冷たい声。
能面のように動かない氷のような顔と瞳。
睨み付けている自分の方が、その冷たい視線に絡め取られてくように感じ、少女の背筋に悪寒が走った。
だが、その表情からはおよそ感情らしきものを読み取る事ができないほどに無表情であった。
「・・・誰かは知らないけど、ここで調べる事はすべて終わったわ。大人しく帰るから、見逃してくれないかしら?」
金髪の少女は白銀の瞳を睨みながら、ゆっくりと懐に手を伸ばす。屋敷にいた人間を眠らせた砂を、入っている小箱から一掴みして握った。
「主となる方に危害を加えるかも知れない者を、野放しにする訳にはいきません。ここで死んでもらいましょう」
淡々とした、冷たい声。
能面のように動かない氷のような顔と瞳。
睨み付けている自分の方が、その冷たい視線に絡め取られてくように感じ、少女の背筋に悪寒が走った。
2008年01月30日 (水)
「コホッ・・・埃っぽいわね、まったく・・・」
顔をしかめた後、少女はポケットから小さな人形を取り出した。
大きさは十センチも無く、大理石のような質感だ。例えるならチェスの駒が一番近い。ファンタジーゲームに出てくる狩人のように、弓に矢をつがえて獲物を狙っている姿をしていた。
人形を床に置き、また、少女が何かを呟く。
カタカタカタ・・・と、人形が身震いした。
2008年01月27日 (日)
孝一が運命改変薬を飲み、一人暮らしを始めた翌日の夜の事である。
彼が祖父と共に住んでいた屋敷は彼の叔父にあたる人物が相続し、家族で移り住んでいた。
邪魔な兄夫婦の遺児である孝一を追い出し、屋敷の新たな主となった彼は友人を招き、上機嫌で宴会を開いていた。
かなり騒々しい宴会であったが、元々が広い敷地を持つ屋敷である為にその喧騒は近隣の家々には届くことは無かった。
その屋敷の屋根の上に、一人の少女の姿があった。黒いシャツの上に黒のジャケットを着て、黒いデニムと黒いブーツという黒ずくめの姿。
だが、背中にかかるほどに伸ばされた髪は美しい金髪であった。
彼が祖父と共に住んでいた屋敷は彼の叔父にあたる人物が相続し、家族で移り住んでいた。
邪魔な兄夫婦の遺児である孝一を追い出し、屋敷の新たな主となった彼は友人を招き、上機嫌で宴会を開いていた。
かなり騒々しい宴会であったが、元々が広い敷地を持つ屋敷である為にその喧騒は近隣の家々には届くことは無かった。
その屋敷の屋根の上に、一人の少女の姿があった。黒いシャツの上に黒のジャケットを着て、黒いデニムと黒いブーツという黒ずくめの姿。
だが、背中にかかるほどに伸ばされた髪は美しい金髪であった。
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