2008年04月16日 (水)
「そういや・・・このクラスの連中は襲ってこないな」
「ああ、さっき桐山が『人の恋路を邪魔する奴は、私がぶった切る』って教壇で一発かましたから、そのせいだろ」
なるほど。そりゃ沈静効果抜群だわ。
このクラスの嫉妬組の襲撃はもう無さそうだな、桐山に感謝だ。
・・・怨念たっぷりの視線はそこかしこから刺さってくるけどな。なぁに、大家さんの眼光に比べたらどうってこたぁないわい。
「あ・・・おはよー後藤」
「・・・おはよう」
その当人が篠宮と一緒に教室に入ってきた。
トイレにでも行ってたのかね。
「ああ、さっき桐山が『人の恋路を邪魔する奴は、私がぶった切る』って教壇で一発かましたから、そのせいだろ」
なるほど。そりゃ沈静効果抜群だわ。
このクラスの嫉妬組の襲撃はもう無さそうだな、桐山に感謝だ。
・・・怨念たっぷりの視線はそこかしこから刺さってくるけどな。なぁに、大家さんの眼光に比べたらどうってこたぁないわい。
「あ・・・おはよー後藤」
「・・・おはよう」
その当人が篠宮と一緒に教室に入ってきた。
トイレにでも行ってたのかね。
「ああ、おはようさん」
「・・・・・・」
あー、桐山さん? いきなり赤面した上に沈黙されると、こっちも反応に困るのですが。
「そ、その~、後藤、今日は私の番だって、覚えてるよね?」
「お、おう、勿論」
・・・沈黙。
桐山の顔がますます赤くなる。
普段明るくて、いつも笑顔の彼女のこんな顔は初めて見た。
・・・か、可愛い。
胸の前で両手の指を絡めながらモジモジしてて、ちょっと潤んだ瞳が俺をチラチラと・・・。
これが『恋する乙女』という奴なのだろうか。俺の方まで赤面して胸の鼓動が速くなっちまったじゃないか
「ほら、さつき。そろそろ先生来るよ、席について」
「あ、うん」
篠宮に引っ張られるようにして、桐山は自分の席に戻っていった。
タイミングよく、担任の西郷先生が入ってきてホームルームが始まる。
今日の授業の始まりだ。
さて、そんなこんなで早くも放課後になった。
今日は歴史の授業が無かったんで、玲子先生に会えなかったのがちょっと残念だ。麻生の襲撃もなく、嫉妬組みの攻撃も教室にいる限りは無かった。
まぁ、麻生は自分の番に備えて作戦でも練ってるんだろう。斜め上にぶっ飛んだものでなけりゃいいんだが。
唯一の変わった点といえば、昼休みに風那たちの作ってくれた弁当を食っていると、桐山が覗き込んできて・・・。
『・・・後藤、もしかしてそのお弁当、あの子たちが作ったの?』
『ん? ああ、そうだよ。結構美味いぜ』
『・・・玉子焼き、一つ貰っていい? 私の唐揚げあげるから』
『ああ、いいけど・・・』
桐山のおかずの唐揚げと、玉子焼きを交換した。
唐揚げは肉汁が豊富で、冷えていても格段に美味かった。
冷凍物だとしても、何か手間を加えているのかもしれないな。
唐揚げを食った瞬間、あちこちから悔しそうな呻き声が聞こえたが、それは気のせいだと思うことにした。
視界の片隅で血涙を流している奴が居るようだが、これも気のせいだろう。
気にしたら負けだ、うん。
そして、玉子焼きを食べた桐山の表情が変わった。
『・・・うん、美味しい・・・。やるわねあの子たち・・・』
・・・桐山の目が、一瞬鋭い眼光を放った。
それきり桐山は自分の席で黙々と弁当食っていたっけ。
・・・俺のあずかり知らぬところで、水面下の攻防が繰り広げられているようだ・・・。
そんな事を思い返しつつ帰り支度をしていると、桐山がやって来た。
「ご、後藤、今日はバイトでしょ? 何時に終わるの?」
・・・また赤面してるよ、あまり萌えさせないでくれ。
自分で自分を抱きしめて悶えたくなるじゃあないか。
「七時で終わるけど?」
「そう・・・。それじゃあ、さ・・・む、迎えに行ってもいい?」
「なんですと?」
「バイト先って、駅前の牛丼屋でしょ?」
「あ、ああ・・・」
「じゃあ、七時にお店の前で待ってるから。じゃ、後でね。・・・~~♪~~♪」
うぅむ、まるで同棲中の恋人のような雰囲気だ。
鼻歌なんて歌っちゃって、ご機嫌だこと。
桐山はそのまま篠宮と一緒に教室を出て行った。
さて、こっちも頭を切り替えないとなぁ。
桐山たちが教室を出た途端、殺気が教室の外から漂ってくるんだからよ。
「今日も逃げ切れる方に五百円」
「俺も逃げ切れるに五百円」
「んじゃ、俺は穴狙いで。捕まって口では言えない事を色々されるに千円」
・・・桑田たちは俺が逃げ切れるかどうか、賭けてやがる。
口では言えない事って何だよ、まったく。エロゲーのやり過ぎだっつぅの。
今日はバイトがあるんだ、のんびりしてる暇は無い。
俺は覚悟を決めて、出入り口にダッシュしていった。
脱出の際、俺は自分の体が以前とは変化している事に確信を持った。
嫉妬組みの襲撃をかわしながら体を分析してみると、瞬発力とか、持続力とか、心肺能力とかが格段に上昇している。
体のキレが凄く良いし、息切れも全然しない。
どうやら、マジで改変薬の力で体が強くなっちまったみたいだ。
運動系の襲撃者達を尻目に、俺は容易く学校を飛び出したのだった。
ふ、中々爽快な気分だぜ。
「・・・・・・」
あー、桐山さん? いきなり赤面した上に沈黙されると、こっちも反応に困るのですが。
「そ、その~、後藤、今日は私の番だって、覚えてるよね?」
「お、おう、勿論」
・・・沈黙。
桐山の顔がますます赤くなる。
普段明るくて、いつも笑顔の彼女のこんな顔は初めて見た。
・・・か、可愛い。
胸の前で両手の指を絡めながらモジモジしてて、ちょっと潤んだ瞳が俺をチラチラと・・・。
これが『恋する乙女』という奴なのだろうか。俺の方まで赤面して胸の鼓動が速くなっちまったじゃないか
「ほら、さつき。そろそろ先生来るよ、席について」
「あ、うん」
篠宮に引っ張られるようにして、桐山は自分の席に戻っていった。
タイミングよく、担任の西郷先生が入ってきてホームルームが始まる。
今日の授業の始まりだ。
さて、そんなこんなで早くも放課後になった。
今日は歴史の授業が無かったんで、玲子先生に会えなかったのがちょっと残念だ。麻生の襲撃もなく、嫉妬組みの攻撃も教室にいる限りは無かった。
まぁ、麻生は自分の番に備えて作戦でも練ってるんだろう。斜め上にぶっ飛んだものでなけりゃいいんだが。
唯一の変わった点といえば、昼休みに風那たちの作ってくれた弁当を食っていると、桐山が覗き込んできて・・・。
『・・・後藤、もしかしてそのお弁当、あの子たちが作ったの?』
『ん? ああ、そうだよ。結構美味いぜ』
『・・・玉子焼き、一つ貰っていい? 私の唐揚げあげるから』
『ああ、いいけど・・・』
桐山のおかずの唐揚げと、玉子焼きを交換した。
唐揚げは肉汁が豊富で、冷えていても格段に美味かった。
冷凍物だとしても、何か手間を加えているのかもしれないな。
唐揚げを食った瞬間、あちこちから悔しそうな呻き声が聞こえたが、それは気のせいだと思うことにした。
視界の片隅で血涙を流している奴が居るようだが、これも気のせいだろう。
気にしたら負けだ、うん。
そして、玉子焼きを食べた桐山の表情が変わった。
『・・・うん、美味しい・・・。やるわねあの子たち・・・』
・・・桐山の目が、一瞬鋭い眼光を放った。
それきり桐山は自分の席で黙々と弁当食っていたっけ。
・・・俺のあずかり知らぬところで、水面下の攻防が繰り広げられているようだ・・・。
そんな事を思い返しつつ帰り支度をしていると、桐山がやって来た。
「ご、後藤、今日はバイトでしょ? 何時に終わるの?」
・・・また赤面してるよ、あまり萌えさせないでくれ。
自分で自分を抱きしめて悶えたくなるじゃあないか。
「七時で終わるけど?」
「そう・・・。それじゃあ、さ・・・む、迎えに行ってもいい?」
「なんですと?」
「バイト先って、駅前の牛丼屋でしょ?」
「あ、ああ・・・」
「じゃあ、七時にお店の前で待ってるから。じゃ、後でね。・・・~~♪~~♪」
うぅむ、まるで同棲中の恋人のような雰囲気だ。
鼻歌なんて歌っちゃって、ご機嫌だこと。
桐山はそのまま篠宮と一緒に教室を出て行った。
さて、こっちも頭を切り替えないとなぁ。
桐山たちが教室を出た途端、殺気が教室の外から漂ってくるんだからよ。
「今日も逃げ切れる方に五百円」
「俺も逃げ切れるに五百円」
「んじゃ、俺は穴狙いで。捕まって口では言えない事を色々されるに千円」
・・・桑田たちは俺が逃げ切れるかどうか、賭けてやがる。
口では言えない事って何だよ、まったく。エロゲーのやり過ぎだっつぅの。
今日はバイトがあるんだ、のんびりしてる暇は無い。
俺は覚悟を決めて、出入り口にダッシュしていった。
脱出の際、俺は自分の体が以前とは変化している事に確信を持った。
嫉妬組みの襲撃をかわしながら体を分析してみると、瞬発力とか、持続力とか、心肺能力とかが格段に上昇している。
体のキレが凄く良いし、息切れも全然しない。
どうやら、マジで改変薬の力で体が強くなっちまったみたいだ。
運動系の襲撃者達を尻目に、俺は容易く学校を飛び出したのだった。
ふ、中々爽快な気分だぜ。
こんばんわ
久しぶりにコメントします。なかなか忙しかったですが毎回楽しみにしていました
どんな展開になるのか楽しみです
がんばってくださいね
久しぶりにコメントします。なかなか忙しかったですが毎回楽しみにしていました
どんな展開になるのか楽しみです
がんばってくださいね
2008/04/20(Sun) 21:59 | URL | dora | 【編集】
>>dora さん
おお、お久しぶりです。お忙しい中見てくださっているとは、ありがとうございます。
自分も忙しかったりします・・・orz
性的な忙しさが皆無なのは、今に始まった事じゃないので気にしてませんがね!w
今年、新社会人になった方もいらっしゃるでしょうが、自分の体を守るのはあくまでも自分ですよ~。
体調管理はしっかりとしておきましょう。
おお、お久しぶりです。お忙しい中見てくださっているとは、ありがとうございます。
自分も忙しかったりします・・・orz
性的な忙しさが皆無なのは、今に始まった事じゃないので気にしてませんがね!w
今年、新社会人になった方もいらっしゃるでしょうが、自分の体を守るのはあくまでも自分ですよ~。
体調管理はしっかりとしておきましょう。
2008/04/22(Tue) 10:05 | URL | HEKS | 【編集】
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