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ハーレム・ドラッグ―2
 翌日の月曜日。俺は運命改変薬の実験にワクテカしながら学校に向かっていた。
 ターゲットに決めた玲子先生はいわゆるオトナの女性(当たり前だが)ってやつで、とにかく美人で歩くだけで色気を垂れ流すようなお方だ。
 プロポーションがモデル並みに良くてだな、特筆すべきは九十センチを超える巨乳だ!

 あまりの色気に授業のたびに男子生徒は前屈みになってしまうか、見惚れて授業にならないので玲子先生の授業は男子の成績がすこぶる悪い。
 そんな状況を打開しようと、玲子先生はポイントを纏めた手作りの資料を殆ど毎回配っているのだ。

 ・・・はっきり言って解決すべき所を間違ってるが、仕方ないよなぁ。美人で巨乳で優しいんだもん。

 お礼と称して・・・あの胸を思いっきり揉みまくったり、パイズリとかしてもらったりして。
 幾らなんでもそんな事はないよな・・・いやいや、ご先祖様を成功に導いた秘薬だぜ? も、もしかしたら・・・!

「・・・なにニヤニヤしてるのよ、気持ち悪いわね・・・」

 背後から不意にかけられた声に、俺は素晴らしき妄想を中断して振り返った。
 そこには俺の天敵と言っていい生意気女が、ジト目で俺を睨んで仁王立ちしていた。



「何だよ、篠宮。朝っぱらから何か用か?」
「用? あなたに私が? ハッ、冗談でしょ。私はあなたがヨダレを垂らしそうなだっらしない顔で歩いているから、とうとう脳味噌に危ないウイルスでも回ったのかと思って独り言を言っただけよ」

 一の言葉を放てば十の罵詈雑言になって返って来るのがこの女、クラスメイトの篠宮百合香(しのみや ゆりか)である。
 こいつとは中学の頃からの腐れ縁だが、どうにも馬が合わない。
 俺の何が気に入らないのか、いつも絡んできやがる。
 黙っていれば眼鏡の似合う美少女なんだがな。
 背中の中ほどまで伸ばした黒髪が、風に吹かれてサラサラとなびいている。
 頬にかかった髪をかき上げる仕草は、妙にそそるモノがあって・・・。

「なによ、人の事をジロジロ見るなんて失礼ね。大方イヤらしい想像でもしてるんでしょうけど、生憎私があなたとどうにかなる何て事は地球が百回滅んでも絶対に有り得ないから! フン!」

 前言撤回、ぶん殴りてぇ。
 だが相手は女の子、ボク男の子。ガマンガマン。

「あー、あー、悪かったよ。用がねーならもう行くからな」
「・・・さっさと行きなさいよ」

 そっぽを向いて再び歩き出した俺の背中に浴びせられた言葉は、いつもよりほんの少し弱く感じた。
 絶対気のせいだ、ウン。


 歴史の時間は本日最後の授業だ。
 授業中は玲子先生の事で上の空、当然授業内容なんぞ頭に入ってくる訳がない。休み時間は悪友どもとだべっていても、やっぱり上の空だった。

 そして、いよいよ歴史の授業前の休み時間になった。
 俺は頃合を見計らって、職員室の前で待機していた。

「んしょっ、と・・・あら、後藤君?」

 玲子先生が出てきた。思ったとおり、重そうなプリントの山を抱えてるぜ。

「先生、プリント運ぶの手伝おうか?」
「あら~、どういう風の吹き回し? 点数稼ぎかしら?」

 小首を傾げながら微笑む玲子先生・・・今日も色っぽいぜ。
 思わず下半身が反応しそうになったが、こんな事で挫折する訳にはいかん!

「まぁそんなとこ。ほら、貸してよ」
「そう? それじゃお願いしようかしら」

 ズシッと重たいプリントの山を手渡された
 ・・・結構重たい、女性にはかなりきついんじゃなかろうか。
 たあいもない話をしながら教室に向かう間、何か先生に変化があるかと思ったが・・・。
 何もない。
 そりゃもういつもの玲子先生と、何の変化も見受けられらない。

「大分楽になったわ。ありがとう」
「いやぁ~、玲子先生のお役に立てるなら」
「何かお礼しなくちゃいけないわね」

 へ?

「何がいいかしら? 欲しい物とかある? ああ、でも先生もそんなにお金持ちじゃないから・・・」

 お?

「あ、して欲しい事とかどう? 何かない?」

 おおぉお!?
 こここ、これは・・・マジ!?

「もう、どうしたの? 黙っちゃって」

 はっ!? いいい、いかん、あまりの衝撃の展開に金縛ってしまった!

「い、いやいやいや! い、いいですよお礼なんて!」

 言ってから後悔した。
 お礼断ってどうすんだ!?
 何の為にこんな事してるのか分かってるのか俺!!

「・・・先生のお礼は・・・嫌なの?」

 肩を落として俯いた先生の瞳から、零れ落ちるものが見えた。
 え・・・な、泣いて・・・? でぇえぇえええぇ!?

「ううう嘘です! 冗談です! 是非ともお礼をして頂きたいです!」
「・・・本当に?」
「本当! マジで! どんなお礼でもありがたくさせて貰っちゃいます! だから涙拭いてください!」

 言ってる事が自分でも微妙におかしいと分かってはいるが、この場においては些細な事だ!

「うん、分かったわ」

 涙をハンカチで拭った先生がにこやかに笑った。
 よ、良かった・・・とりあえず事態の収拾には成功したか。

「それじゃあ、今は・・・誰もいないわね」

 玲子先生は周りを見渡すと、誰もいない事を確認した。

「ん・・・チュッ」

 そのまま、俺にキスをした

 ・・・。

 先生が、俺の、唇に、キスをした。

 ・・・はい?

「今はこれで我慢してね・・・後で、ちゃんとしたお礼をするから」

 え? え? え?

「ほら、授業を始めるから急いで」
「・・・ハイ」



 俺は先生に促されるまま、フラフラと教室に入っていった。
 悪友どもから『後藤! テメー、なに抜け駆けしてんだよ!』とか色々文句を言われたような気がするが、記憶にゴザイマセン。
 授業中も上の空どころか成層圏を突破して、遥か衛星軌道上でボーッと星たちを眺めているような気分だった。

 時間がたつに連れて落ち着いてきた俺は、とにかく今の状況を整理する事にした。
 一つ、どうやら薬の効果は無事発揮されたらしいという事。
 二つ、その為に玲子先生が俺の親切に対してのお礼を、倍返ししてくれそうだという事。
 三つ、お礼の手始めとして、キスしてくれた事。それも唇に。

 ・・・キスされた。
 あの遠藤玲子先生に。
 全女教師の中で、生徒にも教師にも絶大な人気を誇る美人教師。
 写真部の猛者たちが隠し撮りした先生のパンチラ写真を、五枚セットで一万で購入し(ボリやがって)オカズにもした玲子先生が・・・!

「は、ははは・・・マジだ、これ以上ねーってくらいの大マジだ・・・!」

 授業中にも関わらず、俺の口からそんな言葉が漏れちまった。

「こぉら、後藤君。静かにしなさい」
「あ、あははは、すいませ~ん」

 自然と顔がにやけてしまう。
 ここが自分の部屋だったら、存分に大声を上げてご先祖様に感謝の祝詞でも捧げたい気分なんだから。

「もう、あんまり反省してる顔じゃないわね。いいわ、放課後、職員室に来なさい。少し絞ってあげます」
「へ」

 俺の間の抜けた返事に、クラス中に失笑が広がった。
 俺はバツが悪そうに頭を掻いて苦笑いした。
 でもな、俺は見たんだ。

 玲子先生が、潤んだ瞳でこっそりウインクするのを・・・!

テーマ:創作官能小説連載
ジャンル:アダルト
コメント
続きが気になる~
はじめまして。
つい、最近、このサイトに漂着した者です。
いや~、面白いですねェ~。
四章まで一気に読みました。
続きが気になります!
ご都合主義最高!!
2010/06/11(Fri) 23:45 | URL | カン | 【編集
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