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ハーレム・ドラッグ第四章―5
「・・・っつー訳で、百合香は一度家に戻った。それからこの二人、桐山さつきと麻生夕紀も参戦してくれる事になったんだ。それで、二人にも何か道具を貸してやって欲しいんだけども・・・」

 さつきと有希を雪音(仮)さん達に紹介して。道具を貸してやって欲しいとお願いしてみた。
 彼女はしばらく二人をジッと見つめると、何か納得したような感じで頷いた。
 ・・・何を納得したのだろう。

「承知いたしました。お二人にはその資格が有ります。道具については後ほど、それぞれの能力を見て、どんな力を持った物を貸すか判断しましょう」
「頼むわ。ああ、それから二人の名前、考えてみたよ」
「ホント? どんなの? どんなの?」

 美幸(仮)さんが身を乗り出して聞いてくる。
 俺は二人に名前を教えた。
 反応は・・・。
「美幸、か。うん、良いね、気に入ったわ。ありがと、孝一クン!」
「雪音・・・綺麗な名前ですね。孝一様、ありがとうございます」

 気に入ってくれたか、良かった。
 雪音さんも、何となく喜んでいるように感じるな。
 それは良いのだが・・・。
 美幸さん、俺の顔を自分の胸に押し付けるように抱き締めるのは自重して欲しいのですが。

「え~? 気持ちよくない?」

 いや、気持ち良すぎるのが問題で・・・。
 下半身に血が集まってしまうのですよ、ええ。

「んふ、私の身体で興奮してるんだ。それじゃあ、新しいお願い、しちゃおうかな」
「新しいお願い?」
「うん、私と雪音ちゃんも抱いて欲しいなーって」
「・・・はい?」

 何を唐突に仰いますか。

「私からもお願い致します」

 って、雪音さんまで。

「えーっと、話の流れが見えないんだけど・・・」
「みんな孝一クンとイイ事したんでしょ? それに、好きな男に抱いて貰うってのは、普通の事じゃない?」

 きっぱり言われたよ。
 いや、そりゃ嬉しいよ? こんな美人&美少女に抱いてくれ何て言われるのは。
 しかし、いきなり過ぎて戸惑うぜ。

「孝一様、これはあなたの為でもあるのです」
「俺の為?」
「改変薬の影響で、孝一様と性交渉をした皆さんは、孝一様と強い因果の繋がりを持っています」

 そんなはっきり性交渉て。
 風那とか顔を真っ赤にしてるよ。
 しかし、因果の繋がり? ・・・って何?

「孝一様との関係性・・・『縁(えにし)』、とでも言いましょうか。人は誰しも大なり小なり、他者と関係して生きています。ただ道ですれ違う程度の関係や、或いは毎日親しく過ごす関係など、様々な形で。その強弱はその者の人生に大きく作用するでしょう」

 ・・・ああ、言ってる事は何となく分かる。
 人間、一人じゃ生きていけねーもんだ。
 友人、家族、恋人や、それこそ買い物でしか会わないコンビニの店員とだって関係がある事に変わりはない。
 『袖振り合うも多生の縁』って言うもんな。

「私には、改変薬を飲んだ者と関係の深い人間を見分ける能力が文十郎様から与えられています。もし私の力が及ばない事態になった時、共に戦う覚悟と力を持った者を選ぶ為に」
「それで・・・みんなが選ばれたって事か?」

 さっき何か納得していたのはこの事か。

「はい。麻生様はお会いした時の関係は弱かったのですが、能力は素晴らしいものでした。今は関係性もとても強固なものとなっています。桐山様も同様です」

 さつきと有希に目をやると・・・あ、赤くなっとる。
 うぅむ、モジモジと照れる二人も新鮮で、何かイイ。

「改変薬を飲んだ孝一様にとって、縁の強さは特別な意味があります。貴方にとっても私たちにとっても、『正』の方向へ力が働くようになりますから。ですが、私と美幸さんの場合、貴方との関係は皆さんに比べて弱いと言わざるを得ません」
「それを強くする為に・・・その、Hしろ、と?」
「はい、それが一番手っ取り早いので」

 手っ取り早いって・・・。
 それじゃあ、美幸さんはともかく雪音さんは好きでもない俺に抱かれようとしてるって事か?
 さすがにそれは、なあ・・・。

「んふふ♪ 雪音ちゃんはああ言ってるけど、貴方が好きだから抱かれたいって気持ちがあるのも事実なのよ?」

 内心が顔に出てたかな?
 俺の顔を見つめ、美幸さんが少し面白そうに言った。
 ・・・は、ぇ、雪音さんが? 俺を好き?

「美幸さん、余計な事は言わなくて結構です。私は孝一様を守護する為だけに生み出された存在です。そういった感情は私には不要です」

 無表情に言う雪音さん。
 しかし、その頬がほんのり紅くなっている・・・マジ、ですか。

「何も気にする必要はございません。孝一様は遠慮なく私たちを抱けばいいのです。役得と思えばよろしいかと」

 すっげえ割り切ってますね。
 でも俺は割り切れないっての!

「異議有り!!」

 返事に困っていると、玲子先生が何処ぞの弁護士のように声を上げた。

「それなら私が先よ! 本当なら次は私の番だったんだから!」
「わっ、むぷ」

 玲子先生は美幸さんから俺を引ったくるように奪うと、その深く、柔らかい胸の谷間に俺の顔を押し付けた。
 あ、相変らず殺人的な気持ち良さ・・・!

「え~、玲子さんはもう、一度イイ事してるんでしょう? だったら・・・」
「こればっかりは譲れないわ。お預けされてた間、火照った身体をどんなに持て余したことか。孝一君が夢の中にまで出てきたくらいよ」

 美幸さんの抗議を一蹴し、俺を抱き締める力が強くなる。
 ちょ、ちょっと息が苦しい。

「孝一様を狙う者たちが、いつ現れるのか分からないのです。私たちとの関係を強くするのは急務です」

 むぅ、雪音さんも譲る気配無しかよ。
 空中で三人の視線が火花を散らしてるようではないか。

「・・・モグムグ、んぐ。それじゃあさ、三人一緒にして貰えば?」

 そんな光景を、のんびりと饅頭を食いつつお茶を啜って見ていた空那が軽いノリで言った。

「三人?」
「一緒に?」
「して貰う?」

 火花を散らしていた三人がクリン、と首を回して空那を見て、また俺を見る。

「ちょ、ちょっと空ちゃん、何言ってるの?」
「その方が面倒がなくて良いじゃない。そりゃ、正直言えば妬けちゃうけど、今は孝一兄ちゃんを守る事の方が重要でしょ?」
「空那ちゃん、中々大胆な事考えるわね・・・」
「でも、言ってる事は間違ってませんよ。私たちは孝一先輩を守る為に集まったんですから」

 有希の言葉に、三人がハッとしたような顔になる。
 雪音さんは無表情だからあくまで感じだが。

「・・・そうですね、その方が時間の節約にもなりますし」

 え。

「私は構わないわよ~? 抱いて貰えるだけで嬉しいしね」

 はい?

「うぅん・・・しょうがないわね、孝一君を守るのが最優先だものね」

 あの、玲子先生? 一見諦めたような顔をしつつも、妙に嬉しそうな目で俺を見るのは何故ですか?

「早速、今夜お願い致します」
「んふふ~♪ 孝一クン、4Pだよ4P! 頑張ってね~♪」
「待たされた分、たっぷりとシて貰うから・・・。期待してるわよ、孝一君」
「は、はは、はははは・・・」

 蛇に睨まれたカエルの気分が、分かったような気がした。

テーマ:創作官能小説連載
ジャンル:アダルト
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