2008年01月16日 (水)
「私も・・・行く」
「へ、へぅぅ?」
桐山さんに大きさでやや劣るものの、申し分ない弾力の柔らかい塊がぷにゅ~っと押し付けられました。
隊長、思考回路がオーバーヒート寸前であります。
隊長って誰ですか?
ボクも知りません。
「お~? 百合香もとうとうやる気になったの? 上等! 受けて立つわよ!」
「か、勘違いしないでよ!? わわわ若い男女を二人っきりにするなんてどどど道徳的に許される訳ないでしょ! み、見張りよ見張り! あなた達がいかがわしい事をしないように、監視に行くのよ!」
篠宮さんは、顔を真っ赤にしながら喚くように反論しています。
世間一般では、それは『大きなお世話』というと思うのです。しかし今のボクは美少女二人に挟まれて、その上おっぱいを押し付けられてその柔らかい感触に翻弄されているので、頭に血を上らせながら『へぅ』とか『あぅ』とか言う事しかできないのであります。
「ん~? 私は食事を作りに行くだけだよ~? いかがわしい事って、何の事かなぁ~?」
「そ、そそそれは、その、あれよ! あれ!」
「あれって何よ~?」
「い、いいい言える訳ないでしょぉ!」
むにゅんむにゅにゅ~。
ぷにゅんぷにゅぷにゅん。
合計四つの悪魔的、かつ天使の如き塊に挟まれながら、ボクは他のクラスメイト達がやって来るまで金縛りになっていたのでありました。
多分、あと五分遅かったら鼻血出してぶっ倒れてたと思う次第であります。
「・・・で、どうすんだ? 後藤」
昼休みに、屋上で一緒に弁当を食っていた悪友の桑田が、俺を横目で見つめながら聞いてきた。
「どうすんだって、何をだよ」
俺は購買で買った、薄っぺらいハムカツを挟んだパンを頬張りながら聞き返した。
まあ、何の事か本当は分かりきっているけど。
「すっとぼけんな、桐山と篠宮の事だよ」
ほらな。
「どっちが本命なのか教えろよ、俺は桐山だと思ってるんだけどな」
桑田がニヤニヤしながら俺に聞いてくる。
こいつは陸上部に所属しているスプリンターだ。
精悍な顔つきと、鍛え上げられた体を持つ典型的なスポーツ野郎。
女には興味が無く陸上一直線という、肉体的には健康的だが精神的にはやや不健康なやつだ。
くそ、完全に面白がってやがるな。
「俺は篠宮だな。彼女、絶対に中学の頃からお前に片思いしてたんだぜ」
「うむ、俺も篠宮だな。素直になれない腐れ縁の女の子・・・くぅぅ、萌えるじゃん!」
吹けば飛ぶようなひょろっとした細身の金城と、そろそろメタボリックを気にした方がいいんじゃないかと思えるポッテリ体型の高原は、二人で萌え話に盛り上がってやがる。
この二人は、アニメとゲームにどっぷり浸かっている二次オタどもだ。
浸かりすぎて、三次元の女にまったく興味を持っていないのが今回は幸いした。
パソコンとネットに関して色々教えてもらっているうちに親しくなったのだが、精神的に染まるのだけは断固として防いでいる。
「それなんてエロゲ? とでも聞いて欲しいのかよ。こっちの身にもなってくれ。大体、篠宮からは告白された訳じゃないぜ」
「篠宮のあの態度を見れば、告白したも同然であろうが」
「素で言っているなら、犯罪級の鈍感っぷりですな」
「むぐ・・・」
金城と高原のつっこみに返す事ができない。
よりにもよって、この二次オタどもにつっこまれるとは・・・地味にヒットポイントが削られたぜ。
金髪娘の襲撃を撃退した後、俺は桐山の猛攻とそれを必死で防ごうとする篠宮に休み時間の度にしがみ付かれ、『むにゅ』と『ぷにゅ』の(極楽風味の)板ばさみで苦しめられたのだ。
突然の二人の変化の原因が俺と分かった途端、クラスメイトの男どもからは言葉責めされるわ、机の中にカッターの刃が入ったメモが入ってるわ(メモには赤い字で『氏ね』と書いてあった・・・血文字、かな)、危うく校舎裏に拉致されかけるわで、えらい目に合った。
ま、気持ちは分からんでもないが。
桐山と篠宮は同学年での二大美少女と呼ばれていて、ファンが多いのだ。
さらに女のファンも入れたら、どれだけの隠れファンが居るのか見当も付かない。
女たちは女たちで、俺にべったりの二人を応援するやつ、冷やかすやつ、何故か小さな人形に針をブスブス刺したりするやつが入り乱れ、皆で無責任に黄色い声をあげるので騒々しいったらない。
普段は食堂か教室で昼飯を食って、このメンバーで教室でだらだら過ごすのが日課だったが、この現状でそんな悠長な事をしていたらどんな修羅場が繰り広げられるのかいくら俺でも想像が付く。
かくして、俺は俺に対して攻撃をしない悪友どもと屋上に避難して、格安のマズイ昼飯を食っている訳だ。
それにしても、まさかこんな事になるとは・・・。
運命改変薬の力だとは思うが、俺はあの二人に対してはまだ何もしていないのになぁ。
因果律の書き換えが既に行われていて、影響が出ている・・・とかか?
正直、もうちょっと余裕が欲しいところだぜ。
「実際のとこ、篠宮は分からなくもないが、桐山は意外だったな~。お前、桐山に何をして気に入られたんだ?」
「分からん」
俺は桑田に仏頂面で答えたが、本当は一つだけ心当たりがあった。
あれは、二ヶ月近く前の事だ。
「ん~? 私は食事を作りに行くだけだよ~? いかがわしい事って、何の事かなぁ~?」
「そ、そそそれは、その、あれよ! あれ!」
「あれって何よ~?」
「い、いいい言える訳ないでしょぉ!」
むにゅんむにゅにゅ~。
ぷにゅんぷにゅぷにゅん。
合計四つの悪魔的、かつ天使の如き塊に挟まれながら、ボクは他のクラスメイト達がやって来るまで金縛りになっていたのでありました。
多分、あと五分遅かったら鼻血出してぶっ倒れてたと思う次第であります。
「・・・で、どうすんだ? 後藤」
昼休みに、屋上で一緒に弁当を食っていた悪友の桑田が、俺を横目で見つめながら聞いてきた。
「どうすんだって、何をだよ」
俺は購買で買った、薄っぺらいハムカツを挟んだパンを頬張りながら聞き返した。
まあ、何の事か本当は分かりきっているけど。
「すっとぼけんな、桐山と篠宮の事だよ」
ほらな。
「どっちが本命なのか教えろよ、俺は桐山だと思ってるんだけどな」
桑田がニヤニヤしながら俺に聞いてくる。
こいつは陸上部に所属しているスプリンターだ。
精悍な顔つきと、鍛え上げられた体を持つ典型的なスポーツ野郎。
女には興味が無く陸上一直線という、肉体的には健康的だが精神的にはやや不健康なやつだ。
くそ、完全に面白がってやがるな。
「俺は篠宮だな。彼女、絶対に中学の頃からお前に片思いしてたんだぜ」
「うむ、俺も篠宮だな。素直になれない腐れ縁の女の子・・・くぅぅ、萌えるじゃん!」
吹けば飛ぶようなひょろっとした細身の金城と、そろそろメタボリックを気にした方がいいんじゃないかと思えるポッテリ体型の高原は、二人で萌え話に盛り上がってやがる。
この二人は、アニメとゲームにどっぷり浸かっている二次オタどもだ。
浸かりすぎて、三次元の女にまったく興味を持っていないのが今回は幸いした。
パソコンとネットに関して色々教えてもらっているうちに親しくなったのだが、精神的に染まるのだけは断固として防いでいる。
「それなんてエロゲ? とでも聞いて欲しいのかよ。こっちの身にもなってくれ。大体、篠宮からは告白された訳じゃないぜ」
「篠宮のあの態度を見れば、告白したも同然であろうが」
「素で言っているなら、犯罪級の鈍感っぷりですな」
「むぐ・・・」
金城と高原のつっこみに返す事ができない。
よりにもよって、この二次オタどもにつっこまれるとは・・・地味にヒットポイントが削られたぜ。
金髪娘の襲撃を撃退した後、俺は桐山の猛攻とそれを必死で防ごうとする篠宮に休み時間の度にしがみ付かれ、『むにゅ』と『ぷにゅ』の(極楽風味の)板ばさみで苦しめられたのだ。
突然の二人の変化の原因が俺と分かった途端、クラスメイトの男どもからは言葉責めされるわ、机の中にカッターの刃が入ったメモが入ってるわ(メモには赤い字で『氏ね』と書いてあった・・・血文字、かな)、危うく校舎裏に拉致されかけるわで、えらい目に合った。
ま、気持ちは分からんでもないが。
桐山と篠宮は同学年での二大美少女と呼ばれていて、ファンが多いのだ。
さらに女のファンも入れたら、どれだけの隠れファンが居るのか見当も付かない。
女たちは女たちで、俺にべったりの二人を応援するやつ、冷やかすやつ、何故か小さな人形に針をブスブス刺したりするやつが入り乱れ、皆で無責任に黄色い声をあげるので騒々しいったらない。
普段は食堂か教室で昼飯を食って、このメンバーで教室でだらだら過ごすのが日課だったが、この現状でそんな悠長な事をしていたらどんな修羅場が繰り広げられるのかいくら俺でも想像が付く。
かくして、俺は俺に対して攻撃をしない悪友どもと屋上に避難して、格安のマズイ昼飯を食っている訳だ。
それにしても、まさかこんな事になるとは・・・。
運命改変薬の力だとは思うが、俺はあの二人に対してはまだ何もしていないのになぁ。
因果律の書き換えが既に行われていて、影響が出ている・・・とかか?
正直、もうちょっと余裕が欲しいところだぜ。
「実際のとこ、篠宮は分からなくもないが、桐山は意外だったな~。お前、桐山に何をして気に入られたんだ?」
「分からん」
俺は桑田に仏頂面で答えたが、本当は一つだけ心当たりがあった。
あれは、二ヶ月近く前の事だ。
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