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インターミッション―1 『白銀(しろがね)の守護者』―2

「コホッ・・・埃っぽいわね、まったく・・・」

 顔をしかめた後、少女はポケットから小さな人形を取り出した。
 大きさは十センチも無く、大理石のような質感だ。例えるならチェスの駒が一番近い。ファンタジーゲームに出てくる狩人のように、弓に矢をつがえて獲物を狙っている姿をしていた。

 人形を床に置き、また、少女が何かを呟く。
 カタカタカタ・・・と、人形が身震いした。

テーマ:創作官能小説連載
ジャンル:アダルト
インターミッション―1 『白銀(しろがね)の守護者』―1
 孝一が運命改変薬を飲み、一人暮らしを始めた翌日の夜の事である。

 彼が祖父と共に住んでいた屋敷は彼の叔父にあたる人物が相続し、家族で移り住んでいた。
 邪魔な兄夫婦の遺児である孝一を追い出し、屋敷の新たな主となった彼は友人を招き、上機嫌で宴会を開いていた。
 かなり騒々しい宴会であったが、元々が広い敷地を持つ屋敷である為にその喧騒は近隣の家々には届くことは無かった。

 その屋敷の屋根の上に、一人の少女の姿があった。黒いシャツの上に黒のジャケットを着て、黒いデニムと黒いブーツという黒ずくめの姿。
 だが、背中にかかるほどに伸ばされた髪は美しい金髪であった。
テーマ:創作官能小説連載
ジャンル:アダルト
ハーレム・ドラッグ―13
「先輩ぃーーーーっ!!」
「ぐべぼっぶぅはあぁっっっ!?」

 俺の首根っこに、盛大に特攻ダイビング(ラリアート気味)を敢行してくれやがったのは、顔見知りの後輩だった。

「聞きましたよ桐山先輩と篠宮先輩の事!! 二人が先輩の家に食事を作りに行って、そのままお泊りして、先輩の女にして貰う為にあんな事やこんな事をしてもらおうとしてるって、本当ですかぁぁ!?」

 そのまま俺の首を掴んで体をガックンガックン揺さぶりながら、危ない事を喚いている。
 それよりも苦しいのだがな、絞まってるっつーの。

「やあ夕紀ちゃん。今日は遅かったね」

 金城がのんびりと挨拶した。
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ハーレム・ドラッグ―12
「大分遅くなっちまったな・・・まぁいいか、探してた新作のDVDも借りられたし。今夜はオールナイトだぜ」

 二ヶ月前のある日、食料の買出しに近くのスーパーまで出掛けた俺は色々寄り道をしたせいですっかり帰りが遅くなり、大きめの公園を突っ切る近道を通る事にした。
 この公園はうちの高校への通学路の途中、道をふさぐ形になっていて登下校時はよくうちの学生達が通っている。

 けど、大きさのわりに街灯が少なく、夜になると雰囲気は一変する。
 時折痴漢が出るという噂もあり、女はまず通らないような場所だ。

 そこを歩きながらDVDの内容を思い浮かべて上機嫌(健全な年頃の男なら分かるだろ?)になっていると、薄暗い公園の中に数人の人影が見えた。
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ハーレム・ドラッグ―11

「私も・・・行く」
「へ、へぅぅ?」

 桐山さんに大きさでやや劣るものの、申し分ない弾力の柔らかい塊がぷにゅ~っと押し付けられました。

 隊長、思考回路がオーバーヒート寸前であります。
 隊長って誰ですか?
 ボクも知りません。

「お~? 百合香もとうとうやる気になったの? 上等! 受けて立つわよ!」
「か、勘違いしないでよ!? わわわ若い男女を二人っきりにするなんてどどど道徳的に許される訳ないでしょ! み、見張りよ見張り! あなた達がいかがわしい事をしないように、監視に行くのよ!」

 篠宮さんは、顔を真っ赤にしながら喚くように反論しています。

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ハーレム・ドラッグ―10
「あ、あ~、その、俺にも何が何だかさっぱり分からないんだ。どうも、俺の先祖と彼女の先祖との間で何かあったらしいんだが・・・」

 本当の事なんて言える訳が無い。
 言ったとしてもまず信じちゃもらえないだろうし、玲子先生の事もある。
 真実は墓穴まで持っていかなくちゃならないだろうな。

「薬と本を寄越せって言ってたわよね、それに心当たりはあるの?」

 篠宮が顎に手を当てつつ聞いてきた。

「い、いや、さっぱり。俺は爺さんの家を追い出されて一人暮らしだから、ご先祖様の残した物なんか見当もつかねえよ」

 うう、仕方がないとはいえ、嘘をつく事に良心が傷む。
 俺の口は自然と鈍くなってしまった。
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ハーレム・ドラッグ―9

「グッ・・・クゥ・・・! 凄い力ね・・・ドーピングでもしてるの? サムライ・ガール」

 金髪娘が左腕を抑えながら桐山を睨みつつ立ち上がった。飛ばされた拍子に壁に打ちつけたらしい。
 それでも剣を離さなかったのは見上げたもんだ。

「薬なんか使わないわよ、お肌に悪そうだし。それよりも、人の惚れた男に手ぇ出してただで済むと思うなぁ!」

 え、え~と・・・桐山さん? それは本気と書いてマジですか?

「ちぃりゃぁぁっ!!」
「クッ! グゥゥッ・・・!」

 固まってる俺を置いて、桐山は金髪娘とのチャンバラ合戦を開始した。
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ハーレム・ドラッグ―8
「ちょ、ちょっと何よこの子・・・! あなたの知り合い!?」

 篠宮が少し青ざめた顔を俺に向けて聞いてきた。

「・・・俺にこんな物騒な知り合いはいねーよ」
「でもあなたの事、知ってるみたいじゃない!」

 そうだ。
 どうやらこの金髪娘は、運命改変薬の事を知ってやがる。
 話からすると、ご先祖様の関連らしい。
 どういう経緯か分からんが、子孫の俺を突き止めて来たってとこか。

「・・・大人しく渡すなら、手荒な事をするつもりはないわ。薬と本はどこ?」



 よく切れそうな剣を突きつけて、手荒な事をするつもりはないとか言われてもな・・・説得じゃなくて脅迫だ。
 と、ボケた事を考えていて返事をしなかったせいか彼女の機嫌を損ねたようだ。

 金髪娘の眼がすぅっと細まり、全身から威圧するような気が放射される。
 ・・・ヤバイ。
 こいつはマジもんの殺気だ。街の喧嘩でいきまいてるそこらの気性の荒い奴とはレベルが違う。
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ハーレム・ドラッグ―7
 三階の廊下に出ると、また声をかけられた。

「お~? おはよー後藤、百合香。珍しい組み合わせだね」



 すらっとした長身の女だった。
 クラスメイトの桐山さつき(きりやま さつき)だ。
 ・・・今日はよく女に会う日だな。薬の効果か? まさかね。

「偶然だ偶然! 変な勘ぐりすんな!」
「・・・そうよ、いい迷惑だわ」

 後ろの篠宮も抗議の声を上げる。
 こういう時だけは気が合うな。

「あっはっは! 分かってるって、あんたたちは犬猿の仲だからねー」

 カラカラと笑う桐山に苦笑を返す。
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