2008年01月19日 (土)
「大分遅くなっちまったな・・・まぁいいか、探してた新作のDVDも借りられたし。今夜はオールナイトだぜ」
二ヶ月前のある日、食料の買出しに近くのスーパーまで出掛けた俺は色々寄り道をしたせいですっかり帰りが遅くなり、大きめの公園を突っ切る近道を通る事にした。
この公園はうちの高校への通学路の途中、道をふさぐ形になっていて登下校時はよくうちの学生達が通っている。
けど、大きさのわりに街灯が少なく、夜になると雰囲気は一変する。
時折痴漢が出るという噂もあり、女はまず通らないような場所だ。
そこを歩きながらDVDの内容を思い浮かべて上機嫌(健全な年頃の男なら分かるだろ?)になっていると、薄暗い公園の中に数人の人影が見えた。
二ヶ月前のある日、食料の買出しに近くのスーパーまで出掛けた俺は色々寄り道をしたせいですっかり帰りが遅くなり、大きめの公園を突っ切る近道を通る事にした。
この公園はうちの高校への通学路の途中、道をふさぐ形になっていて登下校時はよくうちの学生達が通っている。
けど、大きさのわりに街灯が少なく、夜になると雰囲気は一変する。
時折痴漢が出るという噂もあり、女はまず通らないような場所だ。
そこを歩きながらDVDの内容を思い浮かべて上機嫌(健全な年頃の男なら分かるだろ?)になっていると、薄暗い公園の中に数人の人影が見えた。
「・・・ん? あれは・・・桐山?」
桐山がそこに居た。
彼女の周りには、取り囲むように五人の男たち。
そこで、彼女は木刀を手にそいつらと睨み合っていた。
(ヤバイ! まさか桐山のやつ・・・!!)
一目見りゃ状況は一目瞭然、桐山は襲われていたのだ。
俺は荷物を地面に置いて、中から炭酸飲料のペットボトル(一応言っておくが、酒じゃないぞ)を取り出すとキャップを開け、その口を手で抑えてシェイクしつつ突進していった。
「おらぁ!! 何やってんだ!!」
「っ! 後藤っ!?」
桐山が俺を見て目を見開く。
俺に驚いた男の一人が、こっちに向かってきた。
手には光る物が・・・ちっ、ナイフまで出してやがる!
俺はボトルの口を抑えていた手を放すと、そいつの顔に噴出す炭酸をぶっ掛けた。
「うわっ!?」
怯んだすきに、股間を蹴り上げる。
「はぎゃっ!!」
身をくの字に折って倒れこむそいつの腹に、すれ違いざまおまけで蹴りをもう一発プレゼントする。
女一人相手に大勢で、しかも刃物出してるような相手に手加減なんぞするものか。しばらくそこで悶絶してろ、クソが。
「ぎゃっ!!」
「ぎへえっ!!」
声の方を見ると、桐山の側に二人倒れていた。
桐山本人はさっきと同じ、直立不動で木刀を構えている。
俺が一人相手にしている僅かな間に二人を叩きのめし、すぐに体勢を戻したんだろう。姿勢がまったく崩れていない、見事なもんだ。
残るは二人だが、すでにへっぴり腰だ。
だが、見逃すつもりはこれっぽっちも有りはしない。それは桐山も同様だった。
俺たちはそいつらをタコ殴りにしたあと警察に連絡、全員御用とあいなった。
最近の痴漢の噂はこいつらが原因だったらしい。新たな被害者を防ぐ事も出来て、一石二鳥となった。
桐山に詳しい事を聞くと、部活で帰りが遅くなり、俺と同様に公園を突っ切ろうとしたのだとか。
俺はちょっと腹が立って、桐山に思わず言っちまった。
「お前なぁ、いくら強いからって無用心過ぎるぞ! れっきとした女の子何だからよ!」
桐山は俺の剣幕に驚いた顔をしたが、すぐに微笑んだ。
「・・・うん、そうだね。これから気をつけるよ。ねえ、今度私の家に来てよ。今日のお礼をしたいからさ!」
いつもきりっとしている桐山の顔が、この時は妙に可愛く見えたね。
・・・とまぁ、こんな事があった訳だ。
数日後に桐山の家に招待されて、彼女の居合い切りを見せてもらったり、彼女の親父さんに婿養子の勧誘を受けたのがこの時の話さ。
桐山道場の門下生には警察の関係者も多く、事件の詳細は表沙汰にならずに済んだ。
変な噂を立てられたとしても彼女は気にしないだろうが、余計な苦労をしないに越した事は無いからな。
まあ、それはそれとして・・・。
「どーしたもんかなー」
今度は焼きそばパンを頬張りながら、俺は溜め息混じりに呟いてしまった。
最初は運命改変薬の力でいい思いしまくろうと考えていたけど、玲子先生の切ない表情や、桐山と篠宮の態度を思い出すと、軽い気持ちで相手をするのはどーよ? と思えてきたのだ。
薬の力のせいでも、彼女たちにしてみれば『本気』なのだから。
「悩む事なかろう、ありがたく作って貰えばいいではないか」
「うむうむ、持てる男は羨ましいですな」
「桐山のやつ、さっそく今日からメシを作りに行く気らしいな。明日、詳しく聞かせろよな」
「好き勝手言ってくれるぜ・・・ん?」
一瞬、背筋に悪寒が走った。
身を震わせた瞬間、俺の首に衝撃が走った!!
桐山がそこに居た。
彼女の周りには、取り囲むように五人の男たち。
そこで、彼女は木刀を手にそいつらと睨み合っていた。
(ヤバイ! まさか桐山のやつ・・・!!)
一目見りゃ状況は一目瞭然、桐山は襲われていたのだ。
俺は荷物を地面に置いて、中から炭酸飲料のペットボトル(一応言っておくが、酒じゃないぞ)を取り出すとキャップを開け、その口を手で抑えてシェイクしつつ突進していった。
「おらぁ!! 何やってんだ!!」
「っ! 後藤っ!?」
桐山が俺を見て目を見開く。
俺に驚いた男の一人が、こっちに向かってきた。
手には光る物が・・・ちっ、ナイフまで出してやがる!
俺はボトルの口を抑えていた手を放すと、そいつの顔に噴出す炭酸をぶっ掛けた。
「うわっ!?」
怯んだすきに、股間を蹴り上げる。
「はぎゃっ!!」
身をくの字に折って倒れこむそいつの腹に、すれ違いざまおまけで蹴りをもう一発プレゼントする。
女一人相手に大勢で、しかも刃物出してるような相手に手加減なんぞするものか。しばらくそこで悶絶してろ、クソが。
「ぎゃっ!!」
「ぎへえっ!!」
声の方を見ると、桐山の側に二人倒れていた。
桐山本人はさっきと同じ、直立不動で木刀を構えている。
俺が一人相手にしている僅かな間に二人を叩きのめし、すぐに体勢を戻したんだろう。姿勢がまったく崩れていない、見事なもんだ。
残るは二人だが、すでにへっぴり腰だ。
だが、見逃すつもりはこれっぽっちも有りはしない。それは桐山も同様だった。
俺たちはそいつらをタコ殴りにしたあと警察に連絡、全員御用とあいなった。
最近の痴漢の噂はこいつらが原因だったらしい。新たな被害者を防ぐ事も出来て、一石二鳥となった。
桐山に詳しい事を聞くと、部活で帰りが遅くなり、俺と同様に公園を突っ切ろうとしたのだとか。
俺はちょっと腹が立って、桐山に思わず言っちまった。
「お前なぁ、いくら強いからって無用心過ぎるぞ! れっきとした女の子何だからよ!」
桐山は俺の剣幕に驚いた顔をしたが、すぐに微笑んだ。
「・・・うん、そうだね。これから気をつけるよ。ねえ、今度私の家に来てよ。今日のお礼をしたいからさ!」
いつもきりっとしている桐山の顔が、この時は妙に可愛く見えたね。
・・・とまぁ、こんな事があった訳だ。
数日後に桐山の家に招待されて、彼女の居合い切りを見せてもらったり、彼女の親父さんに婿養子の勧誘を受けたのがこの時の話さ。
桐山道場の門下生には警察の関係者も多く、事件の詳細は表沙汰にならずに済んだ。
変な噂を立てられたとしても彼女は気にしないだろうが、余計な苦労をしないに越した事は無いからな。
まあ、それはそれとして・・・。
「どーしたもんかなー」
今度は焼きそばパンを頬張りながら、俺は溜め息混じりに呟いてしまった。
最初は運命改変薬の力でいい思いしまくろうと考えていたけど、玲子先生の切ない表情や、桐山と篠宮の態度を思い出すと、軽い気持ちで相手をするのはどーよ? と思えてきたのだ。
薬の力のせいでも、彼女たちにしてみれば『本気』なのだから。
「悩む事なかろう、ありがたく作って貰えばいいではないか」
「うむうむ、持てる男は羨ましいですな」
「桐山のやつ、さっそく今日からメシを作りに行く気らしいな。明日、詳しく聞かせろよな」
「好き勝手言ってくれるぜ・・・ん?」
一瞬、背筋に悪寒が走った。
身を震わせた瞬間、俺の首に衝撃が走った!!
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