2008年07月12日 (土)
切る、切る、切る。
麻生の姿が消えて離れた場所に再び現れると、それと入れ替わるように空中の目玉たちが切断され、破裂していく。
時には扇子を投げて飛び道具として使い、空いた手で近づいた目玉を鷲掴みにして・・・。
「吽(うん)!」
掛け声と共に握り潰した・・・スゲェ・・・。
手の中で目玉が破裂したのに痛みを感じるそぶりも見せず、麻生は投げた扇子を回収して再び攻撃を仕掛けていく。
白銀の少女も負けてはいない。彼女が動くたび、紅夜叉が千変万化に空を切り裂き、目玉を葬っていく。
麻生の姿が消えて離れた場所に再び現れると、それと入れ替わるように空中の目玉たちが切断され、破裂していく。
時には扇子を投げて飛び道具として使い、空いた手で近づいた目玉を鷲掴みにして・・・。
「吽(うん)!」
掛け声と共に握り潰した・・・スゲェ・・・。
手の中で目玉が破裂したのに痛みを感じるそぶりも見せず、麻生は投げた扇子を回収して再び攻撃を仕掛けていく。
白銀の少女も負けてはいない。彼女が動くたび、紅夜叉が千変万化に空を切り裂き、目玉を葬っていく。
目玉たちは襲い掛かろうとするものの、二人の動きに翻弄される一方だ。
息もつかせぬ、見事な連係プレー。
麻生が姿を現した位置の近くに目玉がいると、すぐに麻生に向かうが紅夜叉に阻まれる。
紅夜叉の隙をかいくぐり、白銀の少女に噛み付こうとする目玉は麻生の扇子に切り裂かれる。
俺はというと、金色菩薩に守られて一人ぽつんと離れた所でこの戦いを観戦していた。
・・・しょーがねーよなぁ・・・。右手の『蛇』とやらも消えちまったし、俺が下手に動いたら二人の足手まといにしかならん。
俺はそう自分を納得させつつ、戦いを見つめていた。
「服部、百地、そして藤林。伊賀を治めた三大上忍の子孫の方だったとは・・・。頼もしい限りです」
「あなたもやるね、和服さん。私も歴史の裏側を歩いてきた一族の末裔だから、詳しい事情をこっちから聞いたりはしたくないけど、先輩が絡むのなら話は別よ。後できっちり説明してもらうからね!」
「はい。あなたは孝一様をお側でお守りするに、十分な力を持った方と認めます。訳は後ほど、必ず」
麻生が忍者の末裔とはな・・・。テニスの動きでの驚きなんざ、どっかに飛んでっちまったぜ。
時間にして、ものの数分。
五十個以上あったはずの目玉たちは、金髪娘の周囲の数個に減ってしまっていた。
「サムライ・ガールの次は、ニンジャ・ガール・・・。そうか、分かったわ・・・ゴトウ・コーイチ!」
「はっ、はい!?」
いきなり名前を呼ばれて、思わず敬語で反応してしまった。
「秘薬を飲んだ時点で狙う者が現れるのを予想し、腕の立つ者を仲間にしていたのね!」
「・・・はい?」
いやいやいや、それは無い。
誤解もいい所だ。
「いや、そんな事はして・・・」
「あなたを凡人だと言ったのは取り消すわ、こんな恐ろしい男だったなんて・・・。それでも、私は諦める訳にはいかないのよ!」
評価が高くなったのは少しだけ嬉しいのですが、話を聞いてください。
金髪娘は憎々しげに俺を睨みつけている・・・。ダメだありゃ、俺が何を言っても聞く耳持って無さそうだ。
彼女は懐からズルズルと抜き身の剣を引っ張り出した。最初に会った時の剣か・・・一体どこに隠してるんだ。
だが、その剣は振るわれることは無かった。
金髪娘が剣を出した瞬間、麻生の姿が消え、剣も残っていた目玉もすべて切断されて破裂した。
柄だけとなった剣を握り、金髪娘の動きが止まる。
「諦めなさいよ。私と和服さんがいる限り、先輩に指一本だって触れさせやしないわ」
「そうです。大人しくしていれば、楽に殺して差し上げます」
「うぉい!?」
白銀の少女の物騒な言葉に、俺は思わず声を上げた。
「? 何か?」
キョトン、としてやがる。
殺人なんて冗談じゃない!
「待て待て待て! 俺は人殺しなんてしたくないし、して欲しくもない! あいつが薬と本を諦めてくれればいいだけの話だろ?」
「彼女が諦めると思いますか? あの執念は生半なものではありません。それこそ両手両脚切り落としても諦めるかどうか」
「う・・・。そ、それでも殺すのなんて駄目だ! 後の事はその時に考える!」
白銀の少女は俺をジッと見つめ・・・頷いた。
「分かりました。私はあなたにお仕えし、お守りするのが使命。あなたの命令に従います」
「そ、そうか・・・」
俺はホッとして溜め息をついた。
「差し当たり、二度と来る気が起きないくらいに痛めつける事にしましょう」
「えぇっと・・・一応、手加減しておけよ・・・?」
「留意いたします」
うう、何か色んな意味で厄介な娘だなぁ。
力強い味方だってのは間違いなさそうだが、扱い難しそうだ・・・。
麻生と白銀の少女が金髪娘を包囲するようにじわり、と動き出す。
緊張がピークに達し、動きが出ようとした時だった。
「上からっ!? 先輩!!」
「孝一様!!」
「のわっ!?」
訳の分からないうちに、俺は二人に押し倒されて体の上にのしかかられた。
その瞬間。
ドッグァアアァアアァアン!!
・・・一瞬遅れてもの凄い轟音が響き、振動が地面と体を震わせた。
爆風のような風を感じ、俺は二人の体を抱きしめつつ懸命に目を閉じた。
風と振動が収まってから目を開けると、既に麻生と白銀の少女は俺の前に立ち上がり、金髪娘を見ていた。
正確には、見ていたのは金髪娘だけじゃなかった。
彼女の前の地面にはクレーターのような穴が開き、その中心に奇妙な奴がいた。
・・・でかい。二メートルは越えるだろう、巨体の・・・ロボット!?
灰色をした西洋の鎧のような物で体を包み、顔はガラスのような物で覆われて電子基板のような物が見え隠れしている。
目にあたる所には、大きなLEDのような物が赤く光っていた。
こいつが空から落ちてきたらしいな・・・。
まぁた変なのが出てきやがったぜ・・・!
息もつかせぬ、見事な連係プレー。
麻生が姿を現した位置の近くに目玉がいると、すぐに麻生に向かうが紅夜叉に阻まれる。
紅夜叉の隙をかいくぐり、白銀の少女に噛み付こうとする目玉は麻生の扇子に切り裂かれる。
俺はというと、金色菩薩に守られて一人ぽつんと離れた所でこの戦いを観戦していた。
・・・しょーがねーよなぁ・・・。右手の『蛇』とやらも消えちまったし、俺が下手に動いたら二人の足手まといにしかならん。
俺はそう自分を納得させつつ、戦いを見つめていた。
「服部、百地、そして藤林。伊賀を治めた三大上忍の子孫の方だったとは・・・。頼もしい限りです」
「あなたもやるね、和服さん。私も歴史の裏側を歩いてきた一族の末裔だから、詳しい事情をこっちから聞いたりはしたくないけど、先輩が絡むのなら話は別よ。後できっちり説明してもらうからね!」
「はい。あなたは孝一様をお側でお守りするに、十分な力を持った方と認めます。訳は後ほど、必ず」
麻生が忍者の末裔とはな・・・。テニスの動きでの驚きなんざ、どっかに飛んでっちまったぜ。
時間にして、ものの数分。
五十個以上あったはずの目玉たちは、金髪娘の周囲の数個に減ってしまっていた。
「サムライ・ガールの次は、ニンジャ・ガール・・・。そうか、分かったわ・・・ゴトウ・コーイチ!」
「はっ、はい!?」
いきなり名前を呼ばれて、思わず敬語で反応してしまった。
「秘薬を飲んだ時点で狙う者が現れるのを予想し、腕の立つ者を仲間にしていたのね!」
「・・・はい?」
いやいやいや、それは無い。
誤解もいい所だ。
「いや、そんな事はして・・・」
「あなたを凡人だと言ったのは取り消すわ、こんな恐ろしい男だったなんて・・・。それでも、私は諦める訳にはいかないのよ!」
評価が高くなったのは少しだけ嬉しいのですが、話を聞いてください。
金髪娘は憎々しげに俺を睨みつけている・・・。ダメだありゃ、俺が何を言っても聞く耳持って無さそうだ。
彼女は懐からズルズルと抜き身の剣を引っ張り出した。最初に会った時の剣か・・・一体どこに隠してるんだ。
だが、その剣は振るわれることは無かった。
金髪娘が剣を出した瞬間、麻生の姿が消え、剣も残っていた目玉もすべて切断されて破裂した。
柄だけとなった剣を握り、金髪娘の動きが止まる。
「諦めなさいよ。私と和服さんがいる限り、先輩に指一本だって触れさせやしないわ」
「そうです。大人しくしていれば、楽に殺して差し上げます」
「うぉい!?」
白銀の少女の物騒な言葉に、俺は思わず声を上げた。
「? 何か?」
キョトン、としてやがる。
殺人なんて冗談じゃない!
「待て待て待て! 俺は人殺しなんてしたくないし、して欲しくもない! あいつが薬と本を諦めてくれればいいだけの話だろ?」
「彼女が諦めると思いますか? あの執念は生半なものではありません。それこそ両手両脚切り落としても諦めるかどうか」
「う・・・。そ、それでも殺すのなんて駄目だ! 後の事はその時に考える!」
白銀の少女は俺をジッと見つめ・・・頷いた。
「分かりました。私はあなたにお仕えし、お守りするのが使命。あなたの命令に従います」
「そ、そうか・・・」
俺はホッとして溜め息をついた。
「差し当たり、二度と来る気が起きないくらいに痛めつける事にしましょう」
「えぇっと・・・一応、手加減しておけよ・・・?」
「留意いたします」
うう、何か色んな意味で厄介な娘だなぁ。
力強い味方だってのは間違いなさそうだが、扱い難しそうだ・・・。
麻生と白銀の少女が金髪娘を包囲するようにじわり、と動き出す。
緊張がピークに達し、動きが出ようとした時だった。
「上からっ!? 先輩!!」
「孝一様!!」
「のわっ!?」
訳の分からないうちに、俺は二人に押し倒されて体の上にのしかかられた。
その瞬間。
ドッグァアアァアアァアン!!
・・・一瞬遅れてもの凄い轟音が響き、振動が地面と体を震わせた。
爆風のような風を感じ、俺は二人の体を抱きしめつつ懸命に目を閉じた。
風と振動が収まってから目を開けると、既に麻生と白銀の少女は俺の前に立ち上がり、金髪娘を見ていた。
正確には、見ていたのは金髪娘だけじゃなかった。
彼女の前の地面にはクレーターのような穴が開き、その中心に奇妙な奴がいた。
・・・でかい。二メートルは越えるだろう、巨体の・・・ロボット!?
灰色をした西洋の鎧のような物で体を包み、顔はガラスのような物で覆われて電子基板のような物が見え隠れしている。
目にあたる所には、大きなLEDのような物が赤く光っていた。
こいつが空から落ちてきたらしいな・・・。
まぁた変なのが出てきやがったぜ・・・!
殺すのはだめという命令をすることがよくある性格設定だけに、個性を殺しているようでちょっとしょんぼり。
殺人をしろというわけではなく、もう少し考えて行動した方がキャラクターが活きてくると思うのですが。
殺人をしろというわけではなく、もう少し考えて行動した方がキャラクターが活きてくると思うのですが。
2008/07/13(Sun) 10:23 | URL | クロガネ | 【編集】
>>クロガネ さん
ご意見、ありがとうございます。
確かに『殺さない主人公』というのはパターンというか、王道と言っていい主人公像の一つだと思います。
孝一の場合、『両親と生まれる前の妹の死』が原因で『死』を嫌っている為にこういう性格になっている訳です。
この性格が今後、この物語にどう影響をしていくのか、孝一の成長と共にどう変化していくのか・・・正直、書いてる私も未知数な部分が大きいです。
今の孝一はさほど力を持たない、一般人に近い状態です。多少改変薬で強化されてますが、人外バトルまではちょっとキツイところ。
もう少し強く(肉体だけではなく、精神的にも)なった時、孝一の行動にも幅が出てくると思いますが・・・私の筆力も上がるように努力しなくてはなりませんね。
しかし、こういう意見はちょっぴり怖い反面、とても嬉しいです。
プロの小説家や漫画家さんは、担当さんやアシスタントの方と色々と意見を出し合って作品の『質』を上げる事が可能ですが、私たちのような素人には中々身近に感想や意見を言ってくれる人は居ません。
ましてエロ要素も有りではとても・・・w
もし、気になる所があったらまたご指摘下さるとありがたく思います。
ご意見、ありがとうございます。
確かに『殺さない主人公』というのはパターンというか、王道と言っていい主人公像の一つだと思います。
孝一の場合、『両親と生まれる前の妹の死』が原因で『死』を嫌っている為にこういう性格になっている訳です。
この性格が今後、この物語にどう影響をしていくのか、孝一の成長と共にどう変化していくのか・・・正直、書いてる私も未知数な部分が大きいです。
今の孝一はさほど力を持たない、一般人に近い状態です。多少改変薬で強化されてますが、人外バトルまではちょっとキツイところ。
もう少し強く(肉体だけではなく、精神的にも)なった時、孝一の行動にも幅が出てくると思いますが・・・私の筆力も上がるように努力しなくてはなりませんね。
しかし、こういう意見はちょっぴり怖い反面、とても嬉しいです。
プロの小説家や漫画家さんは、担当さんやアシスタントの方と色々と意見を出し合って作品の『質』を上げる事が可能ですが、私たちのような素人には中々身近に感想や意見を言ってくれる人は居ません。
ましてエロ要素も有りではとても・・・w
もし、気になる所があったらまたご指摘下さるとありがたく思います。
2008/07/13(Sun) 22:09 | URL | HEKS | 【編集】
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