2008年06月29日 (日)
「出て来られたらいかがですか、異国の方」
白銀の少女がつい、と体をずらし、俺の背後に向かって声を掛ける。
砂利を踏む音と、空気の動く気配がした。
「またお前か・・・。化け物め・・・!」
「げ!」
振り返った俺の目に映ったのは、あの金髪娘だった。
忌々しげに、俺たちを交互に睨みつけている。
口振りからすると、こいつらお互いを知ってるみたいだな・・・。
白銀の少女がつい、と体をずらし、俺の背後に向かって声を掛ける。
砂利を踏む音と、空気の動く気配がした。
「またお前か・・・。化け物め・・・!」
「げ!」
振り返った俺の目に映ったのは、あの金髪娘だった。
忌々しげに、俺たちを交互に睨みつけている。
口振りからすると、こいつらお互いを知ってるみたいだな・・・。
2008年06月22日 (日)
「ところでさ、孝一」
「何でしょう、さつきさん」
「あの外人さん・・・大丈夫?」
「外人さん? ・・・おお! すっかり忘れてた!」
「後藤・・・あなたねぇ・・・」
さつきと篠宮が心底呆れた顔をしている。
いやまぁ、呆れるのも分かるが・・・。
ここ最近の嬉し恥ずかしい騒動を考えてくれ。俺にしてみれば、今までの人生観ひっくり返るような事ばかりなんだから。
「今んとこ、再襲撃の気配は無いな・・・。ま、今度来たらさっさと逃げて、警察にでも駆け込むよ」
「本当にそうしてよ? 下手に戦おう何て考えないでよね」
「ああ、分かってるって。しかし、篠宮・・・お前が俺を心配してくれるとは、今日は槍でも降ってくるか?」
「フン、バカ。さつき、行こ」
篠宮はプイッとそっぽを向くと、そのまま自分の鞄を持って教室を出て行こうとする。
ちょーっとだけ、頬が赤くなっていたように見えたが・・・気のせいかね。
「何でしょう、さつきさん」
「あの外人さん・・・大丈夫?」
「外人さん? ・・・おお! すっかり忘れてた!」
「後藤・・・あなたねぇ・・・」
さつきと篠宮が心底呆れた顔をしている。
いやまぁ、呆れるのも分かるが・・・。
ここ最近の嬉し恥ずかしい騒動を考えてくれ。俺にしてみれば、今までの人生観ひっくり返るような事ばかりなんだから。
「今んとこ、再襲撃の気配は無いな・・・。ま、今度来たらさっさと逃げて、警察にでも駆け込むよ」
「本当にそうしてよ? 下手に戦おう何て考えないでよね」
「ああ、分かってるって。しかし、篠宮・・・お前が俺を心配してくれるとは、今日は槍でも降ってくるか?」
「フン、バカ。さつき、行こ」
篠宮はプイッとそっぽを向くと、そのまま自分の鞄を持って教室を出て行こうとする。
ちょーっとだけ、頬が赤くなっていたように見えたが・・・気のせいかね。
2008年06月13日 (金)
気を取り直し、俺たちは教室に向かった。
俺とさつきが腕を組んで教室に入ったもんで、教室の空気が一変する。
人間の暗黒の部分が残らず噴出して、それが凝り固まって目に見えない力場を形成しているような感じ?
そして、その力は俺に向けられている訳だ。
「邪魔したら・・・分かってるよね?」
さつきが、教室の全員に聞こえるように少し大きな声で言った。
『邪魔したら』の部分はそよ風のように爽やかに、『分かってるよね?』の部分は日本刀の冷たい刃を言葉に変換したかのような鋭さで。
教室に充満していた邪気が、言葉に込められた刃で切り裂かれ、霧散消失する。
代わりに充満したのは、そそくさと目を逸らす嫉妬組みの男達の放つ怯えた気配だった・・・ハムスターとかリスみたいだ。
うん、やっぱりこの娘も十分怖いね・・・。
俺とさつきが腕を組んで教室に入ったもんで、教室の空気が一変する。
人間の暗黒の部分が残らず噴出して、それが凝り固まって目に見えない力場を形成しているような感じ?
そして、その力は俺に向けられている訳だ。
「邪魔したら・・・分かってるよね?」
さつきが、教室の全員に聞こえるように少し大きな声で言った。
『邪魔したら』の部分はそよ風のように爽やかに、『分かってるよね?』の部分は日本刀の冷たい刃を言葉に変換したかのような鋭さで。
教室に充満していた邪気が、言葉に込められた刃で切り裂かれ、霧散消失する。
代わりに充満したのは、そそくさと目を逸らす嫉妬組みの男達の放つ怯えた気配だった・・・ハムスターとかリスみたいだ。
うん、やっぱりこの娘も十分怖いね・・・。
2008年06月07日 (土)
物陰から突き刺さすような羨望と嫉妬の篭った視線を放つ連中は、結局、学校に着くまで何もして来なかった。
それまでには俺も慣れてきたので、さつきと談笑する余裕さえ生まれた。
・・・殺気はいっそう強くなったけどな。
「行くわよ、麻生さん!」
「いつでもいいよー!!」
学校に到着すると、校庭の一角に設けられたテニスコートの方から賑やかな声が響いてきた。
「孝一、麻生って・・・あの子の事じゃないの?」
「・・・みたいだな。何やってるんだ?」
さつきの問いに俺は首を傾げながら答えた。
「ちょっと覗いて見ようぜ」
「うん」
それまでには俺も慣れてきたので、さつきと談笑する余裕さえ生まれた。
・・・殺気はいっそう強くなったけどな。
「行くわよ、麻生さん!」
「いつでもいいよー!!」
学校に到着すると、校庭の一角に設けられたテニスコートの方から賑やかな声が響いてきた。
「孝一、麻生って・・・あの子の事じゃないの?」
「・・・みたいだな。何やってるんだ?」
さつきの問いに俺は首を傾げながら答えた。
「ちょっと覗いて見ようぜ」
「うん」
2008年06月01日 (日)
翌朝、俺はオーブントースターがパンを焼き終わって鳴らす、チーンという音で目を覚ました。
目を開けると、さつきが学校の制服の上にエプロンをした姿でベッドの横に立っていた。
「おはよ、孝一。・・・チュッ」
さつきは微笑みながら、俺の頬に軽くキスをした。
「朝食出来てるよ、起きて顔洗ってきなさい」
「ふぁ~~い・・・」
ああ、いいもんだなぁ~、こういうのって。
胸の中にじんわりと温かいものが広がっていき、安心感が広がっていく。
顔を洗いながら、さつきのエプロン姿を思い出してニヤけてしまう。
と、頭がはっきりした所でようやく思いついた。
・・・さつきの奴、泊まったのか・・・?
慌ててさつきに声を掛けた。
目を開けると、さつきが学校の制服の上にエプロンをした姿でベッドの横に立っていた。
「おはよ、孝一。・・・チュッ」
さつきは微笑みながら、俺の頬に軽くキスをした。
「朝食出来てるよ、起きて顔洗ってきなさい」
「ふぁ~~い・・・」
ああ、いいもんだなぁ~、こういうのって。
胸の中にじんわりと温かいものが広がっていき、安心感が広がっていく。
顔を洗いながら、さつきのエプロン姿を思い出してニヤけてしまう。
と、頭がはっきりした所でようやく思いついた。
・・・さつきの奴、泊まったのか・・・?
慌ててさつきに声を掛けた。
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